2021.5.25 みょ 【広陵町】大福寺 ●だいふくじ 聖徳太子由来の古刹 聖徳太子が建立した広瀬寺の後身と伝わる古刹。かつては東大福寺と西大福寺が存在していましたが、東寺が廃寺となり西寺のみが残りました。天河大辨財天社にちなむ弁財天信仰と中世の大和武士・箸尾氏の帰依によって鎌倉~戦国時代にかけて隆盛を誇りました。江戸時代にも徳川歴代将軍から朱印状を拝受しています。 数多くの寺宝 江戸時代中期に建てられた本堂には本尊の薬師如来坐像を祀ります。客仏には永禄3年(1560)に箸尾氏が立願し、南都宿院仏師に作らせた十一面観音像や、鎌倉時代作の不動明王立像などがあります。十一面観音像は左に難陀竜王像、右に雨宝童子像を配する長谷寺式の安置形式をとり、完存する数少ない遺産として県の文化財に指定されています。また楽田寺(田原本町)伝来の板絵両界曼荼羅(応永31年(1424)、県文)や層塔(鎌倉後期)など数多くの寺宝を有しています。