2023.4.21 鮎 【橿原市】橿原神宮「春の特別参拝と〈重文〉織田家柳本陣屋『文華殿』特別公開」開催 御神前に最も近い場所から、パワーを授かろう 橿原市の橿原神宮では、4月22日~5月7日までの間、「春の特別参拝」と現在解体修理中の重要文化財・織田家柳本陣屋御殿『文華殿』の特別公開が行われます。 特別参拝では神職の案内のもと、御神前に最も近い内拝殿に参拝できます。御幣を供え拝礼をして、御祭神の「開運招福・健康延寿」の御神徳を授かりましょう♪ 解体修理中の織田家柳本陣屋御殿『文華殿』特別公開 文華殿とは 特別参拝後は現在、保存修理中の重要文化財『文華殿』(織田家柳本陣屋御殿[旧織田屋形 大書院及び玄関])の修理現場の見学へ。文華殿は、織田信長の弟である長益(有楽斎)の五男・尚長を祖とする柳本藩(現・天理市)の陣屋御殿の一部。 明治時代以降は柳本小学校の校舎として使用され、1966年に橿原神宮へと移築されました。陣屋御殿の中でも、玄関と大書院が現地に残るものは全国に3か所、移築されたものでも相国寺塔頭林光院方丈・庫裏(京都府)と文華殿の2か所のみと、大変貴重な遺構となっています。 大書院 玄関の虹梁はケヤキ材と贅沢に 今回は「揚屋工事」の内部を公開 老朽化に伴う保存修理は2020年から行われ、2026年3月に竣工予定。今回は建物全体を持ち上げる「揚屋工事」内部の様子が公開されます。土曜日の一部の回では奈良県文化財保存課による修理現場の説明もあるそうなので、当日受付にて確認してみてください。 見学は素屋根の2階から御殿を一周するコース。2階では瓦やはね木が取り外され骨組みとなった屋根を間近に見ることができます。玄関の虹梁にはケヤキ材を使い、骨組みには細いマツ材を使っていることから、見える部分は豪華にする一方で、見えない部分で節約をしていたことが分かります。 上・中・下段と格式の分かれた天井の格子 出土した貝ボタンの抜き跡 今しか見れない!文華殿の下には何がある? 1階ではコンクリートが敷かれた基礎部分に入り、礎石といった普段は見られない建物の下の部分を見ることができます。礎石は建物同様に移築時に現地からそのまま持ち出されたもので、一部には榛原石でできた古墳の一部とみられる石材もあるそう。 また、工事中に出土した、貝ボタン製造で廃棄された貝殻も出土時のまま公開されています。橿原神宮が拡張される前には貝ボタンの工場があったんですね~ 基礎工事が完了し建物が下に降ろされると、次に揚屋工事が行われない限り地下の様子は見学できないので、実質これがラストチャンスになるかも。見てみたい方はこの機会を逃さないように! 織田家が使った3つの家紋を見つけよう! 瓦や釘隠し、懸魚(げぎょ)など、御殿の各所に家紋があります。最も有名な織田家の「織田木瓜」、室町幕府第15代・足利義昭から賜った「五七桐」、そして織田家が平家の末流であると示すために用いた平家の「アゲハ蝶」の家紋が使い分けられているので、探してみてくださいね。 〈春の特別参拝と重要文化財 織田家柳本陣屋御殿『文華殿』特別公開〉 【期間】4月22日(土)・23日(日)、29日(土祝)~5月7日(日) 【受付時間】9:00~15:00(所要時間約80分/各回最大20名) ※祭典および行事により、受付時間が異なります。詳細はHPでご確認ください。 【初穂料】大人3,000円、高校生以下1,000円 もっと深く知りたいなら宝物館へGO! また宝物館では特別公開に関連した企画展「織田有楽斎と柳本陣屋御殿」を開催中。初公開となる柳本藩の陣屋周辺を描いた古地図や、柳本小学校時代の間取り図のほか、御殿内を装飾する「鳳凰の欄間」や、有楽斎ゆかりの顔輝筆・織田頼長讃「達磨図」の写しなどが展示されます。 特別参拝・特別公開の参列者には特典として、宝物館の入館券と隣接のカフェ・橿乃杜の1ドリンクチケットが配布されるので、こちらも合わせて見学しよう! アンケート回答で柳本藩藩札をデザインしたしおりがもらえるよ! 〈宝物館企画展「織田有楽斎と柳本陣屋御殿」〉 【会期】開催中~6月11日(日)まで 【開館時間】10:00~15:00(土日祝、5/1・2は9:00~16:00) 【休館日】なし(臨時休館あり) 【観覧料】大人300円、中高大生200円