2021.12.22 みょ Narakkoスタッフおすすめのお散歩コースをご紹介♪ 「日本のはじまり」と称され、古代史の謎を多く秘めた飛鳥地域。その周辺地域には数々の石造物が点在している。明日香村のシンボルともいえる石舞台古墳から、いまだに用途のはっきりしないものまで、奇石の軌跡をたどりにいざ出発! 【目次】 1益田岩船(史跡 岩船) 2 猿石 3 鬼の俎・鬼の雪隠 4 亀石 5 橘寺の二面石 6 石舞台古墳 7 飛鳥宮跡 8 酒船石・酒船石遺跡 9 万葉文化館 10 飛鳥資料館 11 弥勒石(ミロクさん) START 近鉄岡寺駅 ❶ 益田岩船(史跡 岩船) 上部はほぼ平らで、方形の穴が2つ。詳しい文献が残っていないことから、石碑台や占星術用の観測台、火葬墳墓などの説がある。中でも建造中の古墳説が有力で、何かの事情で建造が中止。作りかけの横口式石槨(古墳)が放棄されたのだとか。 住所:奈良県橿原市白橿町8丁目20-1 5分ほど山道を登るよ! 「益田岩船」の詳細情報を見る ❷ 猿石 吉備姫王墓(きびのひめみこのはか)に据えられた4体の石像。それぞれ「女」「山王権現」「僧」「男」と呼ばれ、個性豊かな表情と格好をしている。朝鮮半島にも類似する石像があることから、渡来人を模したものであるとされる。うち3体には背面にも顔がある二面石。 住所:奈良県高市郡明日香村平田 「猿石」の詳細情報を見る ❸ 鬼の俎・鬼の雪隠 むか~し昔、鬼が霧を出し旅人を捕らえ、俎の上で料理し、雪隠(トイレ)で用を足したと伝えられている。雨の降る霧がかった日は要注意…? 住所:奈良県高市郡明日香村野口 鬼の俎/実は俎の西にもう一つ別の俎が存在したという 双墓説もあるんだって 鬼の雪隠 「鬼の俎・鬼の雪隠」の詳細情報を見る ❹ 亀石 大和の地がまだ湖であった頃の話。湖を挟んだ当麻と川原の地で喧嘩が勃発。長い争いの末、湖は干上がり、多くの亀が死んでしまった。哀れに思った村人が石に亀の形を刻み供養したとされる。 住所:奈良県高市郡明日香村川原108 現在、亀は南西を向いているが(以前は東)、これが西(当麻)を向いたとき「大和一円は泥の海と化す」という伝説があるそう。 「 亀石」の詳細情報を見る ❺ 橘寺の二面石 聖徳太子誕生の地と言われる橘寺の境内にある、善悪2つの顔をもつ二面石。人の心の二相を表したものとされているが、詳しいことはわかっていない。 悪人の顔、裏側に善人の顔 聖徳太子が勝鬘経を講讃した 時に太子の冠が日月星の光を 放ったとされる故事を表現した 「三光石」もあるよ! 【基本情報】 住所:高市郡明日香村橘532 拝観時間:9:00~16:30 拝観料:一般350円、中高生300円、 小学生150円 「 橘寺」の詳細情報を見る ❻ 石舞台古墳 もとは一辺55mの方墳(または上円下方墳か)で、早くに墳丘の盛土が流出してまい、石室の天井石が水田のなかに露出していた。 昭和8年(1933)の第一次調査と昭和10年(1935)の第二次調査により、石舞台古墳造営に際し、周辺部で破壊された古墳が7基見つかった。本体部分も含めると約20基の古墳が破壊されたことになる。 「狐が美女に化けて石の上で踊っていた」「旅芸人が舞台として芝居を演じた」という伝説も… 下の石室に入れるよ 【基本情報】 住所:奈良県高市郡明日香村島庄254 営業時間:8:30〜17:00 入場料:一般300円、高校生以下100円、小学生未満無料 「 石舞台古墳」の詳細情報を見る ❼ 飛鳥宮跡(伝 飛鳥板蓋宮跡) 飛鳥時代の6世紀末~7世紀後半までの宮殿遺構。かつては飛鳥板蓋宮跡と呼ばれていたが異なる時期の宮殿遺構が重複していることが確認されたため飛鳥宮跡と改称された。 住所:奈良県高市郡明日香村岡 飛鳥宮跡の遺構はⅠ期・Ⅱ期・Ⅲ期の3期に分類されており、Ⅰ期は飛鳥岡本宮(舒明/630年~636年)、Ⅱ期は飛鳥板蓋宮(皇極・斉明/643年~645年、655年)、Ⅲ期は後飛鳥岡本宮(斉明・天武/656年~660年)と飛鳥浄御原宮(天武・持統/672年~694年)だと推定されている。出土遺物などからⅢ期の宮跡は確実視されているそう。 「 飛鳥宮跡」の詳細情報を見る ❽ 酒船石・酒船石遺跡 酒船石は、長さ5.3m、幅2.3m、暑さ1mの扁平な花崗岩。 両サイドに石を割るためにいれた楔穴が見られることから、元は円形に近かったと思われる。酒の醸造に使われたとか、油をしぼったとか、ゾロアスター教の密議に使う薬の調合の道具であるなどと諸説あるが、この周辺の遺構に水を引くための土管や石樋が見つかり、庭園施設の一部分である可能性が高くなった。 住所:奈良県高市郡明日香村岡 平成12年(2000)、酒船石のある丘陵の北裾で、亀形石造物、小判形石造物が見つかった。甲羅が水槽のように窪んでおり、導水から排水までの一連の構造が見られる。 亀形石造物 協力金:300円 「 酒船石・酒船石遺跡」の詳細情報を見る ❾ 万葉文化館 万葉のふるさと・奈良にふさわしい『万葉集』を中心とした、古代文化を体感しながら学べるミュージアム。 万葉日本画を中心としたさまざまな展覧会を開催する「日本画展示室」や、音や光で万葉の世界を体感できる「万葉劇場」、日本最古の鋳造銭「富本銭」等を製造していた飛鳥池工房遺跡等に関する「特別展示室」などがある。 また、『万葉集』をはじめ、古代文化に関する図書資料を所蔵し、その情報を提供する万葉図書・情報室や、万葉の草花が美しい万葉庭園、ショップ、カフェレストランなども充実。『万葉集』を中心とした講座や、体験イベント等も随時開催している。 画像:万葉文化館提供 【基本情報】 住所:奈良県高市郡明日香村飛鳥10 営業時間:10:00~17:30(入館は17:00まで) 入館料:無料※日本画展示室(展覧会)は有料(公式HPで確認を) 「 万葉文化館」の詳細情報を見る 10 飛鳥資料館 奈良「飛鳥」の文化財の調査・研究を専門に行う「奈良文化研究所」の展示施設として、飛鳥の歴史と文化を紹介する資料館(1975年開設)。 常設第一展示室 須弥山石 第1展示室では飛鳥の宮殿や水落遺跡の水時計、須弥山石等の石造物、高松塚古墳・キトラ古墳、飛鳥寺等の古代寺院に関するものを展示。第2展示室には、山田寺に焦点をあて、出土した建築部材による東回廊再現を展示している。 また、広い庭園では、亀石や猿石、石人像や酒船石など飛鳥地域の奇石のレプリカと一緒に、四季折々の風景も楽しむことができる。 【基本情報】 住所:奈良県高市郡明日香村奥山601 営業時間:9:00〜16:30(入館は16:00まで) 入館料:一般 350円、大学生 200円、70歳以上・高校生及び18歳未満 無料 「 飛鳥資料館」の詳細情報を見る 11 弥勒石(ミロクさん) 飛鳥川の東岸に佇む素朴な雰囲気のお地蔵さま。下半身の病気が治ると言われており、たくさんのわらじが奉納されている。 住所:奈良県高市郡明日香村岡 隣接の休憩所にある 「足のせ石」で祈願 下半身の病気が治る!? GOAL 近鉄飛鳥駅 【旅を終えて】 なぜこんなにも飛鳥には石造物が多いのか…7世紀の女帝 斉明天皇(天智天皇・天武天皇の母) の時代に造られたものが多く、彼女が土木建設工事に力を入れていたことが関係しているそう。 飛鳥を華やかな都にするために、多くの石材を運び、大開発に情熱を注いだのかな…。