〈天理市〉邪馬台国は奈良県?『黒塚古墳』から出たのは大量の“卑弥呼の鏡”でした 2023.6.30 鮎 邪馬台国解明の一手? 大量の銅鏡が出土した前期古墳 天理市柳本にある国史跡『黒塚古墳』は全長約130mの前方後円墳。古墳時代前期(3世紀後半~4世紀前半)の築造と推定され、周濠をもっています。 後円部に長さ8.3mという巨大な竪穴式石室が埋葬当時の状況で発見され、中から『三角縁神獣鏡』33面をはじめ、多数の副葬品が出土しました。 石室の様子がわかる(はずの)実物大タイル展示。色あせてます… 中でも三角縁神獣鏡は邪馬台国の卑弥呼が魏の国からもらった鏡と考えられるもの。 卑弥呼の墓とされる箸墓(桜井市)に近い場所からたくさん出土したことで、邪馬台国畿内説が大いに盛り上がりました♪ 中近世はお城として機能 中近世は砦やお城に活用されはじめます。室町時代後期には地侍の楊本氏が黒塚古墳に砦を築き、1575年には松永久秀が柳本城を築城します。 後円部墳頂に長方形の本丸があったり、前方部にかけて曲輪が造成されていたり、またくびれ部には幅6.8m、深さ3.4mの堀切があったことが発掘調査でわかっています。 階段手前のコンクリート舗装部分が堀切 江戸時代に柳本藩の藩領となると、柳本藩庁の一部に黒塚古墳を取り込みました。周濠を堀に転用し、石垣も備え明治時代まで藩の施設として管理されてきました。 南をみれば、大手筋と柳本城下が一望できます! こうした経緯もあり、古墳に自由に立ち入れなかったことで、盗掘に遭わず大発見に繋がったと思うとミラクルですね! 民間信仰の石碑もありました 黒塚古墳をもっと知りたいなら展示館へGO! 黒塚古墳についてもっと知りたい!という方は、古墳の東側にある天理市立黒塚古墳展示館へ。入館無料なので気軽に立ち寄ってみて下さい♪ 1階はパネル展示。黒塚古墳を含む、大和古墳群・柳本古墳群についての解説が書かれています。柳本藩織田家由来の鎧も展示されていました。 こちらの目玉展示は黒塚古墳石室の原寸大復元模型! 発掘当時の状況を細部まで再現しています。タイル展示が色あせて見れなかったけどここにくれば万事解決?ですね! ちなみに石室は、川原石と板石を用いた合掌式の特殊なもので、現在は木棺が腐り粘土の棺台のみが残っていますが、中央には長さ6m、直径1m以上の巨木をくり抜いた割竹形木棺がおさめられていたそうです。 皆さんは覚えているかわかりませんが、玉木宏さん、綾瀬はるかさんらが出演したドラマ『鹿男あをによし』では何度もこの場所が登場しましたよね! 望遠鏡をのぞいてみると… 見えた! 2階では古墳から出土した三角縁神獣鏡33面と画文帯神獣鏡1面のレプリカが展示されています。ずらっと並ぶとレプリカでも壮観です。 2階から見る復元模型も良いですな! 展示館の南には柳本公園として東屋やトイレに、健康ストレッチ器具、子ども向け遊具もあるので、お散歩がてら訪れるのもいいですね! かわいいすべり台