〈五條市〉あなたは読める?『宮前霹靂神社』 2024.12.11 鮎 安産祈願に訪れる人も。井上内親王ゆかりの雷神を祀る神社 奈良県五條市の5万人の森公園の南西、遊歩道を登った丘の上に鎮座する「宮前霹靂神社」。『延喜式』神名帳(927年)に記される式内社で、麓にある西久留野町の氏神さまでもあります。 奈良時代にこの地へ流された井上内親王が同神社で祈願をし荒坂で御子を生んだと伝わることから、金剛山東麓に位置する鎮座地を「産屋峯(うぶやがみね)」といい、また神社は「産屋明神」とも呼ばれ、安産の神様としても信仰が厚いそう。 ところで「宮前霹靂神社」は「みやさきかんとけじんじゃ」と読みます。「霹靂」は“青天の霹靂”のように「ヘキレキ」の読みで一般的に知られていますが、「かみとけ」や「かむ(ん)とけ」とも読まれ、かみなり・いかずち・雷鳴を意味する言葉なんだとか。 つまり、ここは雷神である宮前霹靂神を祀る神社。しかしこちらは自然神としての雷神を祀ったものと考えられていて、のちに雷神となり御霊として信仰される井上内親王の御子(火雷神)とは異なるようです。