奈良県立大学 現代アート展
「わたす展-線をほどいて『みる』-」
奈良県立大学地域創造学部風間ゼミは、現代アート展「わたす展―線をほどいて『みる』―」を開催します。芸術に関わることに興味をもつゼミ生13人が、それぞれの研究テーマを現代アートに落とし込み、作品制作やイベントを行う展覧会です。
今の世の中は、個人が持つ複雑な感覚や、混沌とした社会など、様々な思考の線が編み込まれているのではないかと考えています。その中には、凝り固まったステレオタイプが絡まっていたり、肥大化し核が見えなくなった物語が混じっていたりします。また、私たちが見ている世界にも曖昧な境界線があり、それらは人や状況によって異なっています。私たちの知らない場所で、知らない誰かが、知らない喜びや苦しみを抱えているはずです。
そこで、絡まり合った線をいちど丁寧にほどくことに挑もうと思い、この展覧会を企画しました。ほどけた小さな物語たちをじっくり見つめ、編み直していくことで、今より柔らかく、広く、物事を考えられるかもしれません。さらに展覧会というかたちで私たちの考えを示すことで、これまでの芸術のあり方の先を見たい、より新しくより近い距離で芸術に触れたいと考えています。
あなたに私たちの表現をわたし、一緒に考えること、そして少しでも編み直された線たちを未来にわたすことができればと願っています。