〈奈良市〉世界遺産「元興寺」旧境内でならまちの庶民のくらしを知る『奈良町資料館』 2023.8.29 鮎 ならまちに残る民俗文化を守り伝える 『奈良町資料館』は、庚申さんやお地蔵さんなど、古くからならまちに暮らす人々に受け継がれてきた信仰や慣わしを守り後世に伝えようと、1984年に開設された私設資料館。1451年に土一揆で焼失した元興寺本堂跡に建っています。 身代わり申に春日大社の釣燈籠、東大寺二月堂のお松明と奈良らしい門 資料館内は17のゾーンに分かれていますが、レジカウンターより奥の14ゾーンは土日祝日のみの公開。平日は吉祥天女像と庚申さん、聖観音像が見学できます。 庚申室には「庚申さん」の名で親しまれる青面金剛像が安置され、手前には身代わり申が吊り下がり、壁面には全国から寄贈された庚申さんが描かれた掛け軸が飾られています。 もとは信仰の対象となっていた掛け軸ですが、時代と共に庚申講の組織が維持できなくなり、この資料館へ渡ってきたといいます。この一室だけでも地域で失われつつある庶民信仰の現状がわかりますね… 個性豊かな絵看板も魅力的 また館内には仏像のほかに、江戸~昭和にかけて使われてきた民具や看板などの展示もあります。中でも絵看板はひと目でどんなお店かがわかるように工夫された、個性的な意匠のものがたくさんありました! 建物の外壁にも旅館や商店の看板がいっぱい掲げられています。よ~く見ると下段右から3番目には「福助足袋」と今も残る商品の看板が。超ロングセラーですね福助。 軒先にはお猿さん。右から見ざる、聞かざる、言わざるの三猿になっていますね。 お土産コーナーも要チェック! 入り口近くにはお土産コーナーもあります。かわいい身代わり申のお守りストラップや、玄関先や室内にも飾って置けるサイズのものも販売されています。ぜひ一家にひとつ、家に飾って家族の健康と無事を祈りましょう!