『観音寺』は、奈良県と大阪府の境に位置する峠の集落・香芝市田尻にある高野山真言宗の寺院。お寺へは集落の中の細い道を通るので車での通行は要注意です。

創建年は不明ですが、南北朝時代の悪党・楠木正成ゆかりの寺院として知られています。

おとぎ話にでてきそうな山門。『鳥岳山』と山号を記した扁額が掛かっていますね。

門をくぐって右手にある広場は護摩道場。役行者と不動明王の石仏が安置されています。そのお隣には一願地蔵というお地蔵さんもいました。

楠木正成の命を救った観音様

1331年、赤坂城（大阪府千早赤阪村）が陥落した楠木正成は田尻の里に潜伏しますが、鎌倉幕府の追討軍が攻め入り、正成は矢を胸に受けてしまいました。

しかし、正成は無傷。のちに観音寺へ拝すると、正成の代わりに本尊・十一面観音菩薩の左胸から血が赤黒く流れていたといいます。正成はご尊体を滝で洗い、一族同門と共に信仰を深めました。

この逸話から『矢除身替観音（やよけみがわりかんのん）』と呼ばれるようになりました。

高野山真言宗の寺院とあって、本堂右手には四国八十八か所のお砂ふみ霊場がありました。総拝所には弘法大師空海の像が立っています。

おしゃれな御朱印が人気♪

同寺の御朱印には月ごとに絵が変わるものや、切り絵御朱印などがあります。中でも切り絵御朱印は御本尊と役行者の2種類があり、好きな色の下紙を選ぶこともできます。

僕は赤紫色と赤茶色と渋めの色にしてみました。お寺の方によると、絵が映えるという理由で黄色を選ぶ方が多いそうです。