【ならまち】元興寺〈塔跡〉
●がんごうじ〈とうあと〉
日本一の五重塔が建っていた?元興寺の東塔跡
元興寺は、明日香村にあった法興寺(現・飛鳥寺(安居院))が平城京遷都にともなって移設されたお寺。もとは1つの境内地でしたが、火災や一揆などにより焼失・破壊が繰り返され、現在は極楽坊・塔跡・小塔院の3つのお寺に分かれています。
塔跡にはかつて、高さ72メートルとも伝わる五重塔が建っていましたが、江戸時代末期の安政6年(1859)に近くの民家からの失火で焼失。本堂にあたる観音堂は再建されましたが、五重塔の再建は叶いませんでした。
鎌倉時代の興福寺五重塔再建には元興寺の東塔が参考にされたんだとか…
by はにわ
燈籠もホームシックに? “啼燈籠”
本堂前に建つ石燈籠。鎌倉時代の正嘉元年(1257)の刻銘があり、年代が記されたものとしては奈良市最古の石燈籠といわれています。燈籠は昭和初期に一度倒壊し、現在は破損した石材を使用して平成22年(2010)に修復されたものが建ちます。
江戸時代に京都伏見の呉服商人が石燈籠を譲り受けて自宅に設置したところ、毎日のように鳴き声や家鳴りがしたので不審に思っていると、石燈籠自身が鳴いていたという伝説から「啼燈籠」という名が付きました。この時、恐れをなした商人が元興寺に燈籠を返納したことで今日まで伝わっています。
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